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備忘録:私の暮らしの中の サイエンス&アート


by alarekko
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サクサク読めて楽しい音楽家の著書


佐渡さんの
『僕はいかにして指揮者になったのか』
『僕が大人になったら 若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記』
を 読んでいます。

15〜10年前頃に執筆出版されたものが、
去年、今年と文庫化されました。

久しぶりに”本”を夢中になって読みました。
本を読んで夜更かしするとか、出かける時も本をバッグに入れていったり、
そういうのは、ほんとに久しぶりでした。
今はあちこち読み直してるんですが・・・

これまでの記事やテレビのドキュメンタリーなどで
断片的に知っていることもありつつ、
細部と全体像の両方がもう興味深いことだらけです。

「商店街でおばちゃんたちにコンサート楽しいで聴きにきてやと言いたい」
そういうスタンスで一貫しているので楽しくサクサク読める一方、
中身は非常に濃い。

佐渡さんご自身の京都弁のトーンで語られています。
レニー(バーンスタイン)さんの珠玉のお言葉も京都弁。
これは、英語でおっしゃったことのエッセンスが
一瞬にして佐渡さんの脳内に母国語で変換されてる感じ。
(ここで引き合いに出すのもなんなんですが、
自分が英語をきいた時がそういう感じなので)
すごく明るく、わかりやすく、テンポ良く読み進めます。


”のだめ”みたい!と思うところ、数知れず。
(って、実際は順序が逆ですけれどね。)
あの場面、この場面、たくさん思い浮かびます。
「のだめカンタービレ」の一見荒唐無稽だけれどリアリティがあるところは、
実際にあったディテールのひとつひとつを、
芸術家への敬意と暖かいまなざしで紡いでいるからなんだなあと
改めて思い、また見たくなってきました。


レニーさんと同時に小澤さんとの出会いも、
その他の多くの方々とのつながりも、
多くのオーケストラのことについても、
そうだったのかそうだったのかと、興味深いです。





さて、佐渡さんは、
「ポゴちゃん」(こう書いてあります)のことも語っておられます。
デビューまもなくから何度も共演。
前回共演した時やCDよりも、倍くらい遅いテンポでビックリしつつも、
彼の「気」の流れを切りたくないから
指揮が「能楽師」のような動きになってしまった とか。
などなどの他、ポゴちゃんの武勇伝として、
カラヤンとの共演を、リハーサル後に
マエストロがちゃんと指揮出来ないという理由でキャンセルしたとか。
これは初めて知ってびっくりでした。

入賞者コンサートに出ない(誰?)くらい、まだまだかわいい。
なんて思いつつ読み進める。

ところでポゴさまこそ、佐渡さんをベルリンドイツ響(DSO-BerlinまたはDSO)にデビューさせた方であることもわかりました。それはベルリンフィル(BPO)ではないけれど、あのベルリンのフィルハーモニー(ホール)デビューでもあるのです。
しかしその時、佐渡さんを呼んだポゴ氏は何故か2日前にキャンセル。佐渡さんが別のピアニストを急遽呼んで演奏会は大成功だったとか。
風が吹けば桶屋が・・・ではないけれど、ポゴさまがきっかけをつくってくれたおかげで、以来佐渡さんとこのオケの良い関係が築かれ、十年経って先日の長い日本ツアーも実現し、エフゲニ氏もつれてきてくれたわけで、、、、、日本の聴衆として大変ありがたいことであります。



だんだん本とは離れていきますが、、、

ボジャノフ氏のマネジメントはポゴさまと同じ所。
ここを ☆ 初めて見たときから、まわりの濃い方々にかこまれて、よいなあ、これからがますます楽しみだなあと思っていたのでした。

彼は今年、RAIトリノイタリア国立放送交響楽団とも、ここの写真にもあるユライ・ヴァルチュハ(35才)という若い首席指揮者とともに、ラフマニノフ(パガニーニラプソディ)とショパン1番をあちこちで演奏しています。ウィーンのムジークフェラインでも。
ベルリンのフィルハーモニー(ホール)公演だけは、ソリストがポゴさまだった。
(11月のツアー最後のブラチスラヴァ公演で ☆ 

DSO&佐渡さん&ボジャノフのベルリン公演の前の週、急病のハイティンク氏の代役として、ヴァルチュハはベルリンフィル定期公演にデビューしました。
コンサートカレンダーにこんな風に書いてあります。
” Please note the change of line-up and programme: Berliner Philharmoniker, Juraj Valcuha (replacing Bernard Haitink), Nikolaj Znaider ”
特に一大事と騒ぐほどのことも無く日常のこととして、粛々とというか、あっさりとというか、、、そんな印象を持ちました。
人間誰でも病気になったり事故にあったりなどなど、予定どおりに行かないことがある。大物ほど何年も前から決まっているので何か起きるリスクはあって当たり前。新しいスターが現れるチャンスでもある。そういうことが日常の世界なのだなと。


12月4日ボジャノフは、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールでフィルハーモニア管弦楽団(Philharmonia Orchestra)とショパン1番を共演。
指揮は、DSOの首席指揮者トゥガン・ソヒエフ ☆ (34才 芸術監督就任も決まっている)。
彼は、ベルリンフィル(BPO)定期公演にも昨シーズン今シーズン続けて登場、ゲルギエフ率いるマリインスキー劇場の指揮者であり、トゥールーズ(仏)の芸術監督であり、METもウィーフィルも振ってるし、、、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い!。
(ちなみにロンドンには他に、ロンドン交響楽団(LSO)、ロンドンフィルハーモニー管弦楽団(LPO)、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(RPO)もあります。)



去年の11月に見たポーランドの何処かのコンサート(の紹介サイト)。ボジャノフの紹介の中に「来シーズンは、ベルリンのフィルハーモニー、ウィーンのムジークフェライン、ロンドンのロイヤルフェスティバルホール、東京のサントリーホールの他、、、」と、こんなに世界の主要なホールでの予定がもうあるのだよという文章がありました。
東京にもきてくれるんだという喜びもさることながら、サントリーホールがここに並ぶということがとてもうれしかったことを思い出します。
1年経って、全部無事に終わってよかった。私もサントリーホール行けて良かった。



最近、征爾さんと春樹さんが語りあうというすごい本も出ましたね。
レニーさんとグレン(グールド)さんの逸話をセイジさんが回想していたり。
まだちらっと見ただけですが(今家族が読んでいるので)、
大晦日あたり、読めるかなあ〜
by alarekko | 2011-12-18 18:55